配送ルートが「人の勘」に寄ってしまう理由
ルートを決める人は、地図を見ているようで、実は次のようなことを同時に考えています。
- 時間の指定:午前着、14時以降、昼休みは受け取れない、といった届け先ごとの事情
- 道の癖:朝は混む交差点、トラックが入れない細い道、荷下ろしに時間がかかる届け先
- 車ごとの事情:積める量、冷蔵が要る荷、ドライバーの得意な地域
どれも表には書かれておらず、ベテランの記憶にあります。地図ソフトは最短の道を教えてくれますが、「どの荷をどの車に載せるか」までは決めてくれません。ここが、手作業が残る部分です。
ある朝の場面:欠勤とキャンセルが重なったとき
配送の担当者が1人休み、さらに午前着の追加が2件入った朝を考えます。一覧のままだと、車の台数を減らして回るのか、荷を積み替えるのかを、まず頭の中で数え直すことになります。
地図の画面なら、休んだ人の車の届け先が別の色で残り、近くを走る車へ移せる件数が見えます。逆に、どの届け先も既に時間指定で埋まっていて移せない、ということも早く分かります。移せないと分かれば、お客様へ時間の変更をお願いする連絡も、早い時間にできます。
- 決める前に「無理かどうか」が分かる
- 連絡が必要な届け先を、一覧で拾える
- 結果を一覧にして、ドライバーへそのまま渡せる
毎朝の作業を画面にすると、何が変わるか
出荷の一覧(Excelでも基幹システムのCSVでも構いません)を読み込むと、届け先が地図の上に点で並びます。そこに時間指定や荷の量を重ねて、車ごとの回る順番の下書きを出します。
- 届け先の位置と時間指定が、一覧ではなく地図で見える
- 車ごとの積載量と回る件数が並び、偏りに気づける
- 下書きを人が動かすと、到着の見込み時刻が更新される
- 決めた結果を、ドライバー向けの一覧として印刷・共有できる
大切なのは、決めるのは人のままという点です。下書きがあれば、新しい担当者でも、ゼロから考えずに「ここだけ直す」ところから始められます。
作るのに必要な情報
画面そのものより、材料を揃える作業のほうが時間がかかります。最低限、次のものが要ります。
| 必要なもの | 例 | ないとどうなるか |
|---|---|---|
| 届け先の一覧と住所 | 得意先名、住所、荷下ろしの場所 | 地図に点が打てない(住所の表記ゆれは直す作業が出る) |
| 時間指定・受取の条件 | 午前着、15時まで、昼は不在 | 指定を破る下書きが出る |
| 荷の量と車の情報 | 個数または重さ、車の積載量、台数 | 1台に載りきらない下書きが出る |
| 地図・道路情報の利用 | 地図サービスの利用料(実費) | 距離や所要時間が出せない |
届け先ごとの「荷下ろしに何分かかるか」は、最初は空欄でも動きますが、入れるほど到着時刻の見込みが現実に近づきます。これは使いながら少しずつ足していくのが現実的です。
できること・難しいこと
正直にお伝えすると、「最短の回り方を保証する」ことは約束できません。時間指定、積載、道路の状況、当日の急な追加まで全部満たす最適化は、専用の配車ソフトの領域になります。
| 内容 | 目安 |
|---|---|
| 届け先を地図に並べ、車ごとの回る順を人が動かせる画面 | 作れる(小規模なら1ヶ月前後が目安) |
| 方面や時間指定をもとにした、簡易な割り振りの下書き | 決まりを聞いたうえで作る(決まりが多いほど時間がかかる) |
| 渋滞・当日の追加・積み合わせまで考えた最適化 | 専用の配車ソフトをおすすめする場合がある |
| 車載機やドライバーのスマホの位置を使った追跡 | 別の相談になる(まずは決める部分から) |
進め方と費用の目安
最初に、いまの出荷の一覧(個人名を消した写真でも構いません)と、毎朝どう決めているかを、メールで送っていただきます。LAIが見本データで動く画面を作り、リンクをお送りします。ここまでは無料で、触ってから進めるかを決められます。
進める場合の開発プランは月10万円(税抜)で、作っている間だけ、1ヶ月ごとの更新です。初期費用は0円で、小さなツールなら1ヶ月前後が目安です。作り終えたら、このツールの保守(1本月1万円)だけになります。サーバーや地図・AIの利用料は実費で、止めるときは前月20日までにメールでお知らせください。
まずは、作りたいイメージをメールで。
文章でも、手書きのメモでも、今使っているExcelの写真でも構いません。動く画面のプレビューを、契約前に無料でお届けします。
よくあるご質問
- ベテランの勘は、画面で置き換えられますか?
- 置き換えるのではなく、下書きを出して引き継ぎやすくするものです。最終的な判断は人が行う前提で、ベテランが直した点を条件として足していくことで、少しずつ近づけていきます。
- 配送の件数が少なくても作る意味はありますか?
- 1日に数件で、回る順番がほぼ決まっているなら、今のやり方のままで十分なことが多いです。件数が多い、人によって決め方が違う、休みの日に困る、といったときが画面にする目安です。
- 今の基幹システムを変える必要はありますか?
- ありません。基幹システムはそのままに、出荷の一覧をCSVなどで受け取って、ルートの下書きだけを画面で扱います。基幹システムの中を書き換えることはしません。
- 車の位置をリアルタイムで見ることはできますか?
- この記事の範囲は、毎朝の回り方を決めるところです。位置の追跡は別の機器やサービスが必要になるため、必要かどうかを先にうかがってから、別の相談としてお答えします。
- 届け先の住所に表記ゆれがあります。
- 地図に出せない住所は一覧にして、人が直せる形で示します。最初に直す手間は出ますが、一度直せば次回から使えます。
- 配送の条件が、届け先ごとにかなり違います。
- 最初は、時間指定と荷の量だけから始めて、使いながら条件を足していく形をおすすめします。条件の数が多いほど時間がかかるため、先に代表的なものをうかがってから見立てをお伝えします。
